この記事をお読みの方は、遺伝性乳がん卵巣がん症候群の予防切除の費用に保険が適用されるかを調べている方なのではないでしょうか。
記事内では、遺伝性乳がん卵巣がん症候群についてと、予防切除が保険適用になるかについて紹介しています。
目次
遺伝性乳がん卵巣がん症候群とは
遺伝性乳がん卵巣がん症候群(Hereditary Breast and Ovarian Cancer.)とは、英語でHBOCと略される遺伝要因がはっきり分かっている遺伝性のがんのことです。
傷ついた細胞を修復する、がん抑制遺伝子のBRCA1とBRCA2に生まれつき変異があり、本来の機能が失われると、細胞のがん化に抑制がきかなくなり、乳がんや卵巣がんになりやすくなります。
BRCA遺伝子検査で、BRCA1とBRCA2遺伝子のどちらかに、乳がんや卵巣がんの発症と関連のある変異が認めらた場合に、遺伝性乳がん卵巣がん症候群と診断されます。
乳がんや卵巣がんの5% ~ 10%は、遺伝的な要因が強く関与して発症していると考えられていて、その中で最も多くの割合を占めるのが、遺伝性乳がん卵巣がん症候群です。
乳がん卵巣がんの生涯罹患率
遺伝性乳がん卵巣がん症候群は、一般的に200人 ~ 500人に1人が該当すると言われ、国内では家族歴のある乳がんと卵巣がん患者様の30%はBRCA1 / BRCA2の遺伝子変異を有する事がわかっています。
以下に女性の乳がんと卵巣がんの生涯罹患率を記載します。
一般の方 | BRCA1に病変がある方 | BRCA2に病変がある方 | |
乳がん | 9% | 46% ~ 87% | 38% ~ 84% |
卵巣がん | 1% | 39% ~ 63% | 16.5% ~ 27% |
遺伝性乳がん卵巣がん症候群の特徴
遺伝性乳がん卵巣がん症候群の特徴を、日本HBOCコンソーシアムでは、以下のように紹介しています。
- 若年で乳がんを発症する
- トリプルネガティブの乳がんを発症する
エストロゲン受容体 / プロゲステロン受容体をもっていなくて、HER2発現がない - 両方の乳房にがんを発症する
- 片方の乳房に複数回乳がんを発症する
- 乳がんと卵巣がんの両方を発症する
卵管がん、腹膜がんを含む - 男性で乳がんを発症する
- 家系内にすい臓がんや前立腺がんになった方がいる
- 家系内に乳がんや卵巣がんになった方がいる
ご家族に遺伝性乳がん卵巣がん症候群と診断されている方や上記に該当する場合は、医療機関での検査を受けられてみてはいかがでしょうか。
遺伝性乳がん卵巣がん症候群の予防切除
遺伝性乳がん卵巣がん症候群の予防切除とは、遺伝性の乳がんや卵巣がんと診断された方が、新たながんを発症する前に、予防として切除するリスク低減手術のことです。
予防切除によって新たながんの発症や死亡リスクが低下することから、手術を受ける方が増えつつあります。
保険適用について
遺伝性乳がん卵巣がん症候群の予防切除について、現在は公的な医療保険が適用されず、治療費をすべて自己負担となります。
しかし、2019年12月13日、厚生労働省の諮問機関の中央社会保険医療協議会は、遺伝性乳がん卵巣がん症候群の予防切除に対して、2020年4月から公的医療保険の適用対象とすることを決定しました。
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