目次
再就職手当とは
再就職手当とは失業中の方の早期の再就職を促進するための制度で、失業保険(基本手当)を受給中に「給付日数の3分の1以上」を残して再就職した場合に、一時金として支給されます。
再就職手当をもらうための条件
再就職手当の給付を受けるための要件は厚生労働省によって定められており、以下の要件を全て満たす必要があります。
- 受給手続き後、7日間の待期期間(※)満了後に就職、又は事業を開始したこと。
- 再就職日の前日まで失業していたという認定を受けた上で、基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること。
- 離職した前の事業所に再び就職していないこと。また、離職した前の事業所と資本・資金・人事・取引面で密接な関わり合いがない事業所に就職したこと。
- 受給資格にかかわる離職理由により給付制限(基本手当が支給されない期間)がある方は、求職申込みをしてから、待期期間満了後1か月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること。
- 1年を超えて勤務することが確実であること。
- 自営業を開始した場合を除き、雇用保険の被保険者になっていること。
- 過去3年以内の就職について、再就職手当又は常用就職支度手当の支給を受けていないこと。(事業開始に係る再就職手当も含む。)
- 受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと。
※待期期間中に仕事等をしたことにより失業の状態でなかった日や、失業の認定を受けていない日については待期期間に含まれません
数多くの条件があり、全てに該当する必要があるので、ご自身の状況が給付の条件に当てはまるかを注意深く確認しましょう。
再就職手当の支給額
再就職手当の給付額を計算し、ご自身が受け取れる給付金の額を確認しましょう。
再就職手当の計算式
再就職手当の計算式は以下の通りです。
支給残日数×給付率×基本手当日数(上限あり)
上記の計算をするときの給付率は、支給残日数によって以下の2通りと決まっています。
支給残日数 | 給付率 |
3分の2以上の場合 | 70% |
3分の1以上の場合 | 60% |
基本手当日額には上限金額が設定されていて、上限以上を受給することはできません。
また上限額は60歳未満と60歳以上65歳未満で金額が異なります。
基本手当日額の上限は毎年8月1日に「毎月勤労統計」の平均給与額により改定され、令和元年8月1日~令和2年7月31日までの金額は以下の表の通りです。
離職時の年齢 | 基本手当日額上限 |
60歳未満 | 6,165円 |
60歳以上65歳未満 | 4,990円 |
再就職手当の支給例
厚生労働省による再就職手当の支給例は以下の通りです。
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000532906.pdf
再就職手当をもらうまでの流れ
再就職手当をもらうには手続きが必要なので、もらうまでの流れを確認しましょう。
再就職が決まったらハローワークに報告し、その後「受給資格者のしおり」に入っている「採用証明書」を再就職先に記入してもらいます。
就職日の前日にハローワークで最後の失業認定を受けましょう。
失業認定のための必要書類は、採用証明書、失業認定申告書、雇用保険受給資格者証と印鑑です。
以上の手続きで「再就職手当支給申請書」が入手できます。
再就職後、就職先にて「再就職手当支給申請書」の事業主欄に記入してもらい、受給者本人が「再就職手当支給申請書」の申請者欄に記入します。
記入された再就職手当支給申請書をハローワークに提出すると、再就職手当の申請が完了です。
支給が決定する時期
支給が決定されるのは、支給申請書を提出してから最短で約1カ月後です。
支給が決定されれば「就業促進手当支給決定通知書」が届き、何かしらの理由で支給が不可となった場合は「不支給通知」が届きます。
支給日は「就業促進手当支給決定通知書」という封書が届いてからおよそ1週間以内で、失業手当で指定している口座に振込まれます。
再就職手当の申請期限は、再就職した日の翌日から1カ月以内ですが、期限を過ぎてしまっても、再就職した日の翌日から2年を経過する日までであれば申請が可能です。
支給が決まった後に離職した場合
再就職手当を受給した後に離職した場合でも、雇用保険(基本手当)の支給残日数があり、受給期間満了日前に再び失業の状態となった場合は、雇用保険(基本手当)を受給することができます。
再就職手当に税金はかからない
再就職手当の給付金は課税対象外で、税金はかかりません。
給付金を受け取る際の注意点
再就職手当は、受給条件全てを満たしていないと受け取れません。
まずは雇用保険に加入している事が大前提で、正社員であっても、手続の不備などによって雇用保険未加入である場合もあるので、事前に確認しましょう。
またアルバイトやパート・派遣社員・契約社員という雇用形態で働いていた場合でも、雇用保険に加入していれば支給されるので、給与明細等で雇用保険料が徴収されているか確認しましょう。
再就職手当の支給条件は「失業保険の所定給付日数の3分の1以上を残して再就職すること」ですが、会社都合ではなく自己都合で退職した場合は失業保険の所定給付日数が90日~150日と短いので、支払残日数の不足に注意する必要があります。
再就職手当の申請はお早めに
再就職手当の支給条件や支給金額の計算方法、給付金の受け取り方などを説明しました。
再就職手当は1日でも支払残日数が足りていないと、条件を満たしていないので支給はされません。
再就職手当の支給額は、早期に再就職するほど給付率が高くなるので、早めに準備しましょう。