目次
失業保険とは
失業保険とは、公的保険制度の一種であり、加入者が失業もしくは自己都合で退職した場合に失業手当を受給できる保険です。
失業保険は、被保険者が失業中の生活を心配せずに新しい仕事を探し、再就職するのを支援するために存在します。
失業給付を受給する流れ
失業手当を申請して、失業給付を受給するには、具体的にどうすれば良いのでしょうか?
この記事では、失業手当の申請から失業給付を受給するまでのプロセスについて詳しく説明します。
ハローワークで求職の申し込み
失業手当を申請する上でまず初めに、自分の地域を担当しているハローワークで求職手続きをしましょう。
その後、失業保険に申し込むための手続きを行います。
厚生労働省が指定している、失業給付受給の手続きのときに必要な書類は、以下の通りです。
- 雇用保険被保険者離職票(1・2):勤めていた会社から交付
- 個人番号確認書類:マイナンバーカードや住民票など
- 身元(実在)確認書類:運転免許証など顔写真があるものは1点、保険証や住民票など顔写真がないものは2点(コピー不可)
- 証明写真:正面向き上半身の最近の写真を2枚(サイズは縦3.0cm×横2.5cm)
- 本人名義の預金通帳あるいはキャッシュカード:通帳かキャッシュカード
- 印鑑
待期期間
失業保険の手続きが完了し、離職理由や失業保険の条件との照らし合わせで問題がなければ、受給資格が認められます。
しかし、受験資格を得たからといって、すぐに失業給付を受給できるわけではありません。
失業保険の手続き後はしばらく「待機期間」が存在し、実際に失業保険の基本手当を受け取れるのは待期期間を経てからになります。
待期期間は離職理由に関わらず7日と決まっており、事前に考慮しておくことでスムーズに給付まで進めます。
給付制限期間
仕事の辞め方には自己都合退社や会社都合退社など、いくつかの種類が存在します。
会社都合で退社した人や特定理由離職者は、待期期間が終了してすぐに失業給付を受給することが可能ですが、自己都合で退職した一般受給資格者の場合、待期期間終了後にさらに3ヶ月の「給付制限期間」が設けられています。
この期間は失業給付を受給できないため、自己都合退職者は注意する必要があります。
雇用保険受給者初回説明会
失業給付の受給が決まると、ハローワークで「雇用保険受給者初回説明会」を受講する必要があります。
雇用保険受給者初回説明会とは、雇用保険の制度を理解し、受給に関する大切な事項を把握するための説明会のことです。
雇用保険受給者初回説明会では雇用保険受給資格者証や失業認定申告書が渡され、第1回の失業認定日が告知されます。
失業の認定
失業保険を受け取るためには、ハローワークにて失業状態にあることの認定を受ける必要があります。
そのため、被保険者は4週間に1度ハローワークに出向き、求職の活動状況を記入した失業認定申告書と雇用保険受給資格者証を提出して、失業状態に変化がないことを証明しなければなりません。
失業給付を受けるためには、前回の認定日から今回の認定日までの間に、2回以上(最初の認定期間は1回)求職をしたという活動履歴が必要です。
ただし、3カ月の給付制限がかかる人は、待期満了後から給付制限経過後の最初の認定日の前日までに3回以上の求職活動が必要になります。
受給
失業認定が継続されれば、指定した金融機関の口座に失業保険の基本手当(失業給付)が振り込まれます。
休日や祝日、年末年始を挟む場合を除き、振込日は失業認定日からおおむね5営業日に設定されています。
支給額
失業保険による支給金額は、被保険者の賃金日額によって異なります。
賃金日額とは、被保険者が退職するまでの直近6ヶ月で受け取っていた給料を合計した金額÷180で表すことができ、失業保険による基本手当の日額は賃金日額の50~80%程度となります。
また、失業給付の受給額は被保険者の離職時における年齢によっても変わり、例えば30歳未満で賃金日額が2,480円以上 4,970円未満の場合、給付率は80%となります。
失業給付を受給する上で注意しなくてはならないのが、失業保険には賃金日額と基本手当日額には上限と下限があり、その数値は年齢によって変わるという点です。
例えば29歳以下の場合、賃金日額の上限は13,500円、下限は2,480円であり、基本手当日額は上限が6,750円、下限が1,984円と設定されています。
賃金日額と基本手当日額の上限と下限は毎年8月1日に更新されるので、自分の年齢と合わせてチェックをしておくことをお勧めします。
給付日数
失業給付が支給される日数は人によって様々であり、被保険者の年齢、被保険者であった期間、離職した理由などによって異なります。
離職理由や年齢別での、失業給付の支給日数については以下を参考にしてください(参照:人事院)。
一般の離職者の場合
障害者等の就職困難者の場合
倒産、解雇など会社都合で退職した人の場合
失業給付を受けるための条件
失業給付は誰でも受け取れるわけではなく、被保険者はいくつかの条件をクリアしている必要があります。
失業給付を受給することができる人について、ここでは説明します。
就業の意思があるが、仕事に就くことができていない人
失業手当とはそもそも、失業者が再就職までの生活を支援するために存在します。
そのため、受給資格を得るためには積極的に就職活動をしていることが必要です。
具体的には、ハローワークに出向いて求職活動を継続的におこなうことが求められます。
被保険者期間が通算12ヵ月以上の人
失業給付を受給するためには、失業保険の被保険者期間が通算12ヵ月以上であることが必要です。
ただし、特定受給資格者や特定理由離職者の場合は、離職の日以前の1年間で、被保険者期間が通算6ヵ月以上あれば失業給付を受給できます。
失業給付を受給中のバイトは条件付きでOK
無事に失業給付を受給できるようになったあとも、一定の条件を満たしていればアルバイトをすることが可能です。
そのため、失業給付の受給中にアルバイトをするために満たす必要のある条件について、次に説明します。
待機中の7日間はアルバイトができない
受給資格が決定してからの待期期間(7日間)は失業状態である必要があります。
ですので、待期期間中はアルバイトをすることができません。
もし待期期間中にアルバイトなどをして収入を得てしまうと、待機期間が延長されてしまうことになるので注意しましょう。
週20時間以上の労働はNG
週20時間を超えてアルバイトをすることも、失業給付を受給する上では禁止です。
なぜなら、週20時間を超えてアルバイトをすると雇用保険加入条件を満たし、就職したとハローワーク側に判断されるからです。
就職したと判断されると、失業保険の支給がストップされてしまうので、アルバイトの労働時間には細心の注意を払いましょう。
ハローワークへの申告は必須
もし失業給付の受給中にアルバイトをするとなった場合、アルバイトをした日は必ずハローワークへ申告する必要があります。
申告しないままアルバイトをしてしまうと、ハローワーク側に不正受給と判断される場合があります。
そのため、アルバイトをした日は必ずその日の労働時間や得た収入などをハローワークに申告しましょう。
失業保険の減額対象
失業保険によって受給できる金額は、失業保険とアルバイト収入の合計額次第で減額される場合があります。
具体的には、「失業保険の日額+1日分のアルバイト収入」が「前職での賃金日額×80%」よりも多い場合、その差額が減額されて失業給付が支給されます。
また、「1日分のアルバイト収入」だけで「前職での賃金日額×80%」よりも多いと、失業給付が支給されないので気をつけてください。
失業保険を不正で受給するとどうなる?
もし失業保険を不正で受給してしまうと、例え無自覚であっても様々な罰則が課されてしまいます。
失業保険を不正受給してしまった場合の具体的な処罰について、ここでは説明します。
失業手当の支給停止
不正受給が発覚すると、まず初めに失業給付の受給者としての資格を失います。
受給者としての資格を失うため、失業給付の支給が停止されますし、支給が再開されることもありません。
返還命令による全額返金
失業給付の支給が停止されると、次に失業保険による給付の返還命令が通知されます。
返還命令とはその名の通り、それまで給付された失業保険の全額を返還しなければならない制度です。
納付命令による倍額の罰金
失業保険を不正受給した人は、受給していた失業給付を全額返金するだけでなく、「納付命令」と呼ばれる制度が適用されます。
納付命令が適用されると、失業保険の不正受給者はこれまで不正に受給した金額の2倍を納付しなくてはなりません。
つまり、失業保険を不正に受給すると、それまでに受給していた失業給付を全額返還するだけでなく、それに加えて罰則として不正受給金額の2倍のお金を払わなくてはならないのです。
まとめ
本記事では、失業保険の受給と、失業給付を受給している中でアルバイトをするときの注意点について紹介しました。
失業保険から給付を受けるときは、アルバイトをする上での条件など様々な点を考慮しないと、後々大きな罰則を受けることになります。
そのため、自分の生活を守るためにも、本記事などを参考にして正しく失業給付を受給することをおすすめします。